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仏大統領選挙の行方
―― 混乱するフランス政治とロシア

デヴィッド・カディアー ジョンズ・ホプキンス大学 フェロー(環大西洋研究センター)

Russia and France's Right ―― How Moscow is playing in the French Presidential Elections

David Cadier ジョンズ・ホプキンス大学 フェロー(環大西洋研究センター)。

2017年1月号掲載論文

これまで長い間、外交政策部門については手堅いコンセンサスが存在したフランスでも、いまやロシア政策をめぐって合意が揺るがされている。特に仏露関係がフランスの大統領選挙の争点の一つに浮上している。極右勢力のポピュリスト政党、国民戦線はロシアとのイデオロギー・組織・財政的なつながりをもち、かなりの支援を受けていることで知られている。マリーヌ・ルペンはおそらく2017年春の選挙で2次投票へ進むと考えられている。問題はルペンと大統領を争うと予想される共和党の指導者たちも「ロシアに対してこれまでとは違う路線をとるべきだ」と主張していることだ。共和党はウクライナ危機後に欧州連合(EU)がロシアに課した経済制裁の解除を求め、2016年4月には非拘束とはいえ、対ロシア経済制裁の緩和に向けた議会決議の採択を主導している。共和党のフランソワ・フィヨンは自らの外交提案の中核の一つに「ロシアとの和解」を据えている。・・・

  • フランス共和党の右傾化とロシア
  • オランドの反撃
  • マリーヌ・ルペンと国民戦線
  • プーチンファクター
  • フランス外交の大きな変化はない

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