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アメリカにおけるポピュリズムの歴史
―― ポピュリズムと政治的進化

マイケル・カジン ジョージタウン大学教授(歴史学)

Trump and American Populism
―― Old Whine, New Bottles

Michael Kazin ジョージタウン大学教授(歴史学)、Dissent誌編集長、近著にWar Against War: The American Fight for Peace, 1914-1918がある。

2016年11月号掲載論文

トランプはアメリカの無数の白人労働者階級と中間層が心の底に抱える不満と怒りに訴えることに成功したが、そのスローガンが「アメリカを再び偉大な国に」ではなく、「アメリカを再び憎み合う国に」であっても何の違和感もないほどに、否定的なメッセージを撒き散らした。ポピュリズムを台頭させたのは、金持ちを優遇する経済システム、移民に雇用を奪われる不安、大多数の幸福よりも自分の出世を重視する政治家に対する怒りだ。ポピュリストの訴求力を低下させるには、こうした不安や怒りに真剣に対処するしかない。つまり、うまく利用すれば、ポピュリズムを、民主主義を危険にさらすのではなく、民主主義を強化するきっかけにできる。実際、アメリカ人が機会の平等や民主的統治といった理念の実現を政治的エリートに求める上でポピュリズムに勝るパワフルな手段はない。そして二大政党のいずれかが、こうした人々の不安や懸念に対処していかない限り、ポピュリズムは今後も続くだろう。

  • 市民ナショナリズムと人種的ナショナリズム
  • アメリカ史におけるポピュリズム
  • アメリカ第1主義
  • 誰を代弁しているのか、民衆とは誰なのか
  • ポピュリズムの源流
  • 危険だが必要なポピュリズム

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