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2023.8.21 Mon

「中国経済の奇跡」の終わり
―― アメリカが門戸開放政策をとるべき理由
9月号プレビュー

中国では家計貯蓄が急増し、民間の耐久消費財消費が大きく減少している。これを「経済領域で長期化するコロナの余波=コロナ後遺症」とみなすこともできる。ゼロコロナ政策のように、特定の政策が恣意的に実施される危険があること、ある日突然拡大され、次の日には撤回される可能性があることを経験したために、人々は、景気刺激策などに反応しにくくなっている。(ポーゼン)

中国にとって、投資率が高いことは悪いことではなかった。かつて必要とされていたのはまさしく投資主導型の経済開発モデルだった。問題は不動産とインフラ部門での非生産的投資の時代があまりに長く続いたことだ。15年ほど前から、債務が国内総生産(GDP)成長率を上回るペースで増加し始め、肥大化していった。しかもいまや不動産バブルははじけ、新しい経済モデルへ移行するしかない状況にある。(ペティス)

中国は、アメリカのメディアや指導者たちが描写するような台頭する覇権国ではなく、いまや、よろめいて崖っぷちに立たされている。問題は、アメリカの政治家の多くが、依然として、米中間の争いを中国の台頭という視点で組み立てていること、しかも、中国が高まる危機に直面していることを認めつつも、それをアメリカにとって中立的か肯定的な展開とみていることだ。(テッパーマン)

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