Focal Points

2022.2.10. Thu

<2月号本日発売>
習近平が描く新世界秩序 、台湾有事と日米同盟 、サプライチェーンの混乱と再編は続く

「東の世界が台頭し、西洋は衰退している」と主張する北京は、「世界は習近平のビジョンを受け入れている」と考えているようだ。全人代で「世界は中国のためにある」と確信しているかのような自信を彼はみせつけたが、そのような過信が仇となって、中国がその対外行動ゆえに外国で反発を買っていることに中国の指導者は気づいていないのかもしれない。習近平が成功できるかは、そうした世界の反発に対応できるかに左右される。そうできなければ、さらに誤算を重ね、彼が考えるのとは別の方向に世界秩序を変えることになるのかもしれない。(エコノミー)

中国は尖閣諸島を「台湾省」の一部とみなしているため、台湾をめぐって紛争になれば、尖閣諸島も攻略しようとするかもしれない。米軍の介入にもかかわらず、中国が目的を達成すれば、日本は、同盟国のアメリカはひどく弱体化したとみなし、外交政策や防衛態勢を根本的に見直さざるを得なくなるだろう。中国による台湾編入が成功すれば、日本の経済的安全保障も損なわれる。だが、市民の平和主義が根強いために、アメリカを支援することに伴う潜在的なコストやリスクが、日本による支援を制約することになるかもしれない。(サックス)

各国で産業政策が復活するにつれて、世界でいかにモノが作られ、提供されるかをめぐって構造的な変化が起きるかもしれない。グローバルな生産と流通を永久に変える可能性があるのは、パンデミックの一時的な余波ではなく、むしろこのような国の政策だ。市場や産業そして企業の活動に各国政府は直接的に影響を与えようと試みるようになった。理由は、グリーン経済への移行、公衆衛生対策、人権保護、国家安全保障など多岐にわたる。実際、経済・技術・国家安全保障上の思惑を基盤とする政策上のアメとムチの世界的な拡散とエスカレーションは、世界の半導体産業の再編にとってパンデミックによる供給不足以上に重要な意味合いを持っている。(オニール)

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