Focal Points

總統府, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

2021.11.8. Mon

国際社会における台湾の役割
―― 「権威主義VS.民主主義」モデル競争のなかで

パンデミックを経て、(大陸の)権威主義政権は「自分たちの統治モデルが民主主義のそれ以上に21世紀の要請にうまく適応できる」とさらに確信するようになった。台湾は(多くの意味で)競合する二つのシステムが交差するポイントに位置している。力強い民主主義と欧米のスタイルをとりながらも、中国文明の影響を受け、アジアの伝統によって規定されている台湾は、そのプレゼンスと持続的な繁栄を通じて、中国共産党が主張するストーリーへの反証を示すと共に彼らの地域的野心に対する障害を作り出している。・・・台湾が倒れれば、地域的平和と民主的同盟システムにとって壊滅的な事態になる。(蔡英文)

「中国という国は、中華人民共和国が自らの存在を宣言した一九四九年に分裂している」。したがって、「台湾の動きが国の分裂を引き起こすことはあり得ず、台湾が独立宣言をすることに中国側が警告を発する必要などない」。そもそも中華民国は一九一二年の建国以来、主権を持つ独立国家だからである。海峡間関係は、いまや「特別な国家間関係」にほかならない。必要とされているのは、台湾は国ではなく、「反抗的な一省」にすぎないとする、中国がふりかざす「虚構」を捨て去り、民主国家としての台湾の「現実」を踏まえた、海峡を隔てた国と国の「平等な立場」に立つ話し合いである。(李登輝)

北京が台湾を取り戻すことなどあり得ない。台湾を中国の一つの省とみなす神話を永続化させるのは無意味であり、いまや台湾は普通の国家へ歩み出すタイミングだろう。そのためには、中華民国のかつての主張を前提とする南シナ海における領有権の主張を撤回し、「台湾が中華民国である」という虚構を捨てる必要がある。それがレトリックだとしても「中国大陸での一部の権利を有している」という主張を捨て去ることだ。中華民国というこの島の名称を台湾へ公式に変えるべきだろう。これなら、独立宣言でなく、アイデンティティの宣言になる。(バボネス)

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