Focal Points

2020.9.25.Fri

<10月号プレビュー>
破壊された米外交、世界はより平等になりつつある、インドのパンデミックが制御不能な理由

今後の世界では紛争がより一般的になり、民主主義はさほど一般的な政治制度ではなくなっていく。戦後75年間続いた世界秩序は確実に終わる。唯一の疑問は、何が旧秩序にとって代わるかだ。その多くは、アメリカが今後どのコースをとるかに左右される。トランプの外交ブランドがさらに4年続くようなら、第二次世界大戦後から2016年までアメリカが主導したモデルが規範からの逸脱とみなされ、孤立主義、保護主義、ナショナリズムの単独行動が本流とみなされることになる。(ハース)

グローバル化は先進国における国内格差を拡大しつつも、世界レベルでみた(国家間)格差を低下させるという別の重要な作用を伴っていた。こうした世界の平等化は中国市民の収入が大幅に増加したことで促されてきた。つまり、アジアの成長は欧米中間層の衰退の背後で起きていたと言い換えることもできる。このトレンドが続けば、今後10年以内に中国の中間層の多くは欧米の中間層よりも豊かになる。これは、この2世紀で初めて、欧米の中間層が、世界レベルでみた所得のトップ20%に入るグローバルエリートの一部ではなくなることを意味する。(ミラノビッチ)

最近のインドにおける急速なコロナウイルスの感染拡大は、経済に大きなダメージを与えたロックダウン(封鎖措置)を緩和したことで引き起こされている。時とともにウイルスの毒性は弱くなりつつあるかもしれないが、感染力を高めている可能性がある。いずれにせよ、インドでの新規感染者が減少し、コロナウイルスが風土病化するまで、ウイルスの感染拡大は2021年初頭まで続くと考えるべきだろう。9月初旬の段階で、インドでの感染者数は約430万とされているが、実際の感染者数は2000万から4000万に達していると考えられる。(ジョン)

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