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2020.6.8 Mon

パンデミックと経済と地球温暖化
ーークライメートクラブ構想の導入を

スポーツチームが25連敗すれば、当然、コーチは入れ替えられる。温暖化対策に関する一連の会議でまとめられた国際合意も、ことごとく結果を出せずに失敗を続けている。コーチを入れ替え、これまでの間違いを正せる新しい設計が必要だ。「クライメート(気候変動)クラブ」を立ち上げる構想を提案したい。メンバーに恩恵をもたらすクラブモデルを採用すれば、メンバーは排出量削減に向けた規律を守るようになる。(ノードハウス)

コロナウイルス危機はすでに世界の二酸化炭素排出量を大きく減少させている。だが、(感染症が終息し始め)工場や都市のシャットダウンが解除されていけば、各国政府は経済を成長させ、雇用を生み出し、苦境に陥っている産業を救済することを求める膨大な圧力にさらされる。この圧力が、「気候変動対策を進めていく」熱意を抑え込んでしまうかもしれない。今回の経験は、相手がウイルスであれ、気候変動であれ、大惨事が起きる前にレジリエンス強化のために投資しておくべきであることを物語っている。(ヒル)

ウイルスが人とモノの流れを抑え込んでいる状態が長期化すれば、危機の余波は公衆衛生部門を超えて経済に及ぶだろう。特にウイルスは、グローバルな石油・天然ガス市場にとってのブラックスワンの役割を果たしつつあり、すでに、ウォールストリートの銀行の多くが、コロナウイルスの余波を考慮して、2020年前半の原油価格予測を下方修正している。天然ガスの価格も低下して、アジア市場でのLNG価格はこれまででもっとも低い価格になっている。(ジャッフェ)

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