Focal Points

2020.5.26 Tue

<6月号プレビュー>
迫り来るアナーキー、パンデミックと保護主義の台頭、温暖化と気候変動対策クラブ

パンデミックの残骸のなかから、パックス・シニカが生まれたり、パックス・アメリカーナが再出現したりすることはあり得ない。米中対立が拡大するにつれて、多国間システムとそれを支えてきた規範や制度がすでに崩れ始めている。多くの多国間機関は、むしろ、米中のライバル関係の舞台と化しつつある。間違った決断をし、配慮を怠れば、2020年代は1930年代に回帰していく。(ラッド)

「グローバルパンデミック」がどの段階にあるかは地域差がある。自国よりも早く経済を再開できる地域や国があるかもしれない。経済再建の試みが始まった段階で、港が輸入品で埋め尽くされているようなら、国内産業から保護主義を求める圧力が高まってくるのは避けられない。もっとも深刻な余波が生じるのはパンデミックが収束し、経済生産が再開されたときかもしれない。貿易保護主義を求める社会圧力の高まりを予測もせず、備えることを怠れば、世界は壊滅的な事態に直面することになる。(ボウン)

スポーツチームが25連敗すれば、当然、コーチは入れ替えられる。温暖化対策に関する一連の会議でまとめられた国際合意も、ことごとく結果を出せずに失敗を続けている。コーチを入れ替え、これまでの間違いを正せる新しい設計が必要だ。「クライメート(気候変動)クラブ」を立ち上げる構想を提案したい。メンバーに恩恵をもたらすクラブモデルを採用すれば、メンバーは排出量削減に向けた規律を守るようになる。(ノードハウス)

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