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2020.10.5.Mon

<最近の日本関連論文から>
安倍政権の遺産、パンデミック後の日本、核ジレンマ

安倍晋三は、2012年12月に首相に再選された後の7年8カ月にわたって政治的に生き残るだけでなく、5回にわたって選挙で党を勝利に導き、最後の数カ月まで一貫して高い支持率を維持し、日本の政治システムをこれまで誰もなしえなかった形で統治してきた。後継者に選ばれた菅義偉は、安倍政治を変化させるのではなく、踏襲していくと約束している。しかし、彼は前任者ほど幸運ではないかもしれないし、その任期はほぼ確実に前任者よりも短くなるだろう。(ハリス)

アメリカへの移民の流れは今後か細くなっていくかもしれないが、一方で、移民を受け入れ、多様性、ダイナミクス、新しい才能という移民がもたらす社会的恩恵を引き出す国も出てくるだろう。そして日本ほどこの流れから大きな恩恵を引き出せる国もない。社会的に安全で安定しているし、失業率も低く、より多くの労働者を必要としている。パンデミックが経済を破壊し、欧米の大学がかつてのようなアクセスも魅力も失うにつれて、移民や学生の目的地としての日本の魅力と優位はますます際だってくる。この流れが根付けば日本企業だけでなく、日本社会もいずれ世界の一部として統合されていくはずだ。(グラシア)

反核感情の強い日本の科学者コミュニティが(政府による)核開発の要請に応じるとすれば、安全保障環境が大きく悪化した場合に限られる。そして、日本の政策決定者たちが核武装を真剣に考えるとすれば、韓国が核武装するか、ピョンヤンが現在の核の兵器庫を温存したままで朝鮮半島に統一国家が誕生した場合だろう。核開発への東京の姿勢は、歴史的にも、アメリカによる核抑止の信頼性をどうみるかで左右されてきた。少なくとも、トランプがそのクレディビリティを大いに失墜させているのは間違いない。(フィッツパトリック )

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