Focal Points

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2019.4.23 Tue

異質な他者に如何に接するか
―― 近くと遠くをともに重視する

「われわれの社会を機能させている絆と責務」は、グローバルレベルでも、ローカルレベルでも存在する。外国人との交流は、新しい可能性をもたらしてくれるし、われわれも彼らに新たな機会を与えることになる。グローバル市民というメタファーを理解するには、「見知らぬ人への懸念と好奇心」をともにもつことが重要だ。それは何かを共有することだ。与えるものをもっていなければ、何かを他者と共有することもできない。(アッピア)

人間の脳は、帰属する集団メンバーとアウトサイダーを瞬時に区別して、メンバーには親切に、アウトサイダーには敵対的に接するように仕向ける。集団への帰属に関する限り、人類はウガンダの森で殺し合いをしているチンパンジーと大差ない。だが、最初のネガティブな感情を克服した後の二次的な修正的段階で、他者への攻撃性を抑えるようになり、今日の「彼ら」が明日には「われわれの一部」になることもある。(サポルスキー)

ナショナリズムは近代世界における基本原則であり、評論家が認める以上に広く受け入れられている。実際、民主主義、福祉国家、公的教育のような制度にイデオロギー的基盤を提供してきたのはナショナリズムだ。これらのすべてが、目的と相互義務を共有する統合された民衆の名の下に正当化されてきた。新旧の国民国家にとっての課題は、網羅的な連帯を構築、あるいは再構築することで、社会的盟約を刷新することだろう。(ウィマー)

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