Focal Points

B.Zhou / Shutterstock.com

2019.10.11 Fri

<10月号ご紹介>
習近平と中国共産党、日韓対立と中国の立場、香港と天安門の影

胡錦濤の後継者として習を指名した2007年当時、共産党幹部たちも「自分たちが何をしたのか分かっていなかった」ようだ。最高指導者となって以降の最初の200日間で、彼は驚くべきペースで変化をもたらした。しかも、2017年に彼は国家主席の任期ルールを撤廃し、実質的に終身指導者への道を開いた。だが、中国経済が停滞すれば、どうなるだろうか。2022年後半の次期党大会前に、習による行き過ぎた権力集中は彼自身を悩ませることになるはずだ。・・・(マクレガー)

中国は、日韓関係の緊張をアメリカのリーダーシップの衰退として認識させようとしている。アジアにおける米同盟システムが十分に傷つくほどに緊張が高まることを望みつつも、日韓関係が完全に破たんしてしまうほど悪化することは望んでいない。とはいえ、北京は、近隣諸国が中国のことを「アメリカよりも信頼できるパートナー」と位置づけることを望んでいる。もちろん、その結果、東アジアの優先順位とパワーが大きく変化すれば、アメリカの地域的立場は形骸化し、アジアの戦後秩序は再編へ向かうことになる。(グレーサー、マストロ)

香港での抗議行動が続き、住民の行動がさらに怒りに満ちたものへ変化していけば、介入の前提とされる大義と正当化の理屈を北京に与えることになる。民主的理想主義に突き動かされた抗議行動への対処策については、北京は抑圧以外に頼るべきツールをもっていない。1989年の6月4日、鄧小平はついに抑制をかなぐり捨て、天安門のデモ隊を虐殺した部隊の投入を命じた。当時と現在の状況が驚くほど似ているだけに、香港が似たような結末にならないか、いまや憂慮せざるを得ない状況にある。(シェル)

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