Focal Points

lev radin / Shutterstock.com

2018.7.26 Thu

<8月号プレビュー>
多様性を受け入れる秩序へ
―― リベラルな国際秩序という幻

中国人やロシア人やその他の国の人々にアメリカ人の自由思想を受け入れてもらう必要はないし、他国の政治制度を民主体制に変える必要もない。むしろ、ケネディが語ったように、自由主義国家であれ、非自由主義国家であれ、「多様性を受け入れる」世界秩序を維持するだけで十分ではないか。つまり、他国には統治についてアメリカと異なる考え方があり、彼ら自身のルールに基づく国際秩序を構築しようとしているという現実に合わせて、アメリカの国外での取り組みを変えていけばよい。(アリソン)

トランプがリベラルな秩序を損なっている領域もある。しかし、アメリカが後退しても、プロジェクトを支えるために他の諸国が前へと足を踏み出すはずだ。アメリカが離脱したTPPも、残された11カ国によって引き継がれている。同様に、パリ協定からアメリカが離脱しても、他の多くの国は野心的な目標の実現に向けて努力し、アメリカの州、都市、企業、個人も独自の努力を続けている。主要なパトロンを失いつつあるかもしれないが、リベラルな秩序を米大統領のリーダーシップだけが支えているわけではない。(デュードニー、アイケンベリー)

過去半世紀にわたってさまざまな政治体制が崩壊するなか、リベラルな国際秩序は苦難を乗り越えてきた。しかし、欧米の主要国経済が危機への耐久力を失い、その政治が対立によって分断されているだけに、これまで民主主義空間を拡大させてきた現在の秩序が、政治的な勢いを取り戻せる見込みはあまりない。これまでの「リベラルな国際政治経済秩序」は、政治体制の異なる国々が参加する「リベラルな国際経済秩序」へとトーンダウンしていくだろう。(ニブレット)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top