Focal Points

The White House / Wikipedia

2018.5.28 Mon

<6月号プレビュー>
次期サウジ国王の野望と夢
―― 壮大な社会・経済改革の行方

潤沢な石油の富がサウジ経済を潤して福祉国家を支える一方、この国の秩序は王族、宗教・経済エリート間の社会契約によって規定されてきた。だが、原油価格の暴落をきっかけにこの構図も変化しつつある。モハメッド・ビン・サルマン皇太子は、民間経済の強化を通じて経済を多角化し、石油への依存を軽減するとともに、これまでの社会契約を見直して民衆や世論の支持を重視する路線に転じている。権力の多くを手中に収めた皇太子が進める改革が長期的にどのような作用をするかは、反政治腐敗キャンペーンをどのような意図で進めていくかに左右される。・・・(ゴース)

最近の政治的パージによって、ビン・サルマン皇太子は政治的ライバルを追い落としただけでなく、これまでアブドラ一族が支配してきた国家警備隊を含む、サウジの軍事組織の全てをいまや直接・間接に支配している。彼は、周辺地域が抱える問題の多くはテヘランが背後で操っているとみなし、イランに対してより強硬な路線をとっている。この現状は危険に満ちている。イラン脅威論を利用して国内のナショナリズムを煽りたてるビン・サルマンが、いまやサウジの権力を一手に担おうとしているからだ。(マティーセン)

イスラエルとヒズボラ間でいずれ戦争が起きるのは避けられないだろう。いまや問われているのは紛争が差し迫っているかどうかではなく、いつどのようにしてそれが起き、どこで紛争が戦われるかだ。現実に紛争になれば、これまでとは違って、戦域はレバノン南部だけでなく、ベイルートとシリアへ拡大していくだろう。レバントの安全保障はさらに揺るがされ、レバノンとシリアは今以上に、外国のアジェンダが入り乱れる場所と化し、民衆たちはより多くを失うことになるだろう。(カーリン)

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