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2018.10.31 Wed

いまアメリカの大学で何が起きているか
―― 失われた人間教育、メンタルヘルス、教育ローン問題

端的に言えば、大学は学生たちにとって本来容易な場所ではない。大学教育の特徴である、学習面での困難さとストレス間のバランスをどのようにとらせ、一方で学生のメンタルヘルスをどのように支えていくかは、次第に綱渡り並みの難しさを伴うようになった。大学での経験から、課題から逃げることを身につけさせてはならない。結局のところ、人生は課題にあふれている。課題が引き起こすストレスに対処していく方法を学ばせなければならない。(バーウェル)

アメリカのエリート大学は若者に教養と規律を与える場ではなくなっている。大学は学部生を教える仕事を薄給の非常勤講師に任せる一方で、学生とはほとんど接することのない著名な研究者をリクルートすることに血道をあげている。経験が豊かで献身的な教員の指導のもとで、学生たちがさまざまな概念について意見を交換し、人生の目的を考え、それまで常識と考えてきたことに疑いを抱くような経験をさせるという役割はもはや重視されていない。・・・(シアラバ)

2011年でみると、米大学卒業生の3分の2が教育ローンを抱えており、平均すると一人あたり2万6600ドルの債務を抱えている。これが将来に向けた良い投資なのか、それとも、未来を拘束する債務なのかをめぐって、論争が起きている。教育ローンは人的資源の育成と将来的な経済投資になり、その恩恵はコストを上回るとする考えがある一方で、その後の経済生活を大きく制約するという批判もあり、社会問題化している。(マルコビッチ)

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