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2017.2.28 Tue
ロシアとの和解という虚構
――トランプとロシア
アメリカとロシアの対立の根は深い。ドナルド・トランプはキャンペーン中も大統領選で勝利した後も、「なぜロシアとうまくやれないのか」と問いかけてきたが、うまくやれないのは、双方が国益の基礎をなすと考える中核問題をめぐって双方の立場の隔たりが大きいからだ。
自らの弱さを理解しつつも、特別の任務を課された国家であるという特異な意識が、ロシアの指導者と民衆に誇りを持たせ、一方でその特異性と重要性を理解しない欧米にモスクワは反発している。欧米との緊密なつながりを求める一方で、「自国が軽く見られている」と反発し、協調路線から遠ざかろうとする。
2000年代初頭以降、ロシアではアレクサンドル・ドゥーギンのユーラシア主義思想が注目されるようになり、2011年にプーチン大統領が「ユーラシア連合構想」を表明したことで、ドゥーギンの思想と発言はますます多くの関心を集めるようになった。
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ロシアとの和解という虚構
――トランプとロシア2017年3月号 ユージン・ルマー カーネギー国際平和財団シニアフェロー、リチャード・ソコルスキー 同財団シニアフェロー、アンドリュー・S・ワイス 同財団バイスプレジデント
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蘇るロシアの歴史的行動パターン
―― プライドと大きな野望、
そして脆弱なパワーという現実2016年5月号 スティーブン・コトキン プリンストン大学教授
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プーチンの思想的メンター
―― A・ドゥーギンとロシアの新ユーラシア主義2014年5月号 アントン・バーバシン 在モスクワ国際関係研究者、ハンナ・ソバーン 米フォーリン・ポリシー・イニシアティブ (ユーラシア分析担当)
2017年3月号
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ドイツが主導するヨーロッパの防衛強化
―― ベルリンに何ができるかトランプのアメリカがグローバルなリーダーシップからまさに手を引こうとし、イギリスが欧州連合(EU)からの混乱に満ちた離脱プロセスに足をとられるなか、リベラルな秩序と米欧関係の今後を心配するヨーロッパ人やアメリカ人の間では、アメリカに代わってドイツが「リベラルな秩序」のリーダーになるのではないかと期待されている。
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ドゥテルテの対中・対米戦略のバランス ―― 穏やかな対中アプローチの真意
長年の同盟国であるアメリカと「決別し、中国と手を組む」つもりだというドゥテルテ発言は世界を驚かせたが、この発言は「インフラ上の深刻な問題を改善することで、貧困層の生活を改善していく」という彼の選挙公約と密接に関連している。
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トランプとアメリカの同盟関係
―― 同盟国に防衛責任を委ねよトランプが同盟国から米軍を撤退させる可能性は低そうだが、かといって現状を受け入れるのも間違っている。同盟国が軍事支出を少しばかり増やすことで満足するのではなく、ワシントンは自国を守る責任を引き受けるように同盟国に求めるべきだ。