Focal Points

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2017.12.27 Wed

脅かされる「民主主義」
―― 専門的見解に対する不信と反発

専門知識をもたない市民は、専門家なしでは事をなし得ないのだから、エリートへの憎しみを捨ててこの現実を受け入れる必要がある。専門家も市民の声に耳を傾け、自分たちのアドバイスが常に取り入れられるとは限らないことを受け入れなければならない。現状、システムを一つに束ねてきた専門家と市民の絆が危険なまでに揺るがされている。信頼と相互尊重を取り戻さない限り、世論における議論は、根拠なき意見への追随によって汚染されてしまう。そのような環境では、民主主義の終わりを含む、あらゆるものが現実となっても不思議はない。・・・(ニコルス)

ドナルド・トランプのあらゆる直感は、戦後の国際システムを支えてきた理念と相反する。国内でもトランプはメディアを攻撃し、憲法と法の支配さえほとんど気に懸けていない。欧米の大衆も、リベラルな国際秩序のことを、豊かでパワフルな特権層のグローバルな活動の場と次第にみなすようになった。すでに権力ポストにある以上、トランプがそのアジェンダに取り組んでいくにつれて、リベラルな民主主義はさらに衰退していく。・・・(アイケンベリー)

二十一世紀における統治上の問題は民主主義内部の問題になる公算が高い。台頭しつつある市民的な自由、つまり人権や法治主義を尊重しない非自由主義的な民主主義が勢いをもつようになれば、自由主義的民主主義の信頼性を淘汰し、民主的な統治の将来に暗雲をなげかけることになるだろう。選挙を経て選出された政府が法を守り、市民的自由を尊重するかどうか、市民が幸福に暮らせるかどうかが重要なのだ。もし民主主義が自由と法律を保護できないのであれば、民主主義自体はほんの慰めにすぎない。・・・(ザカリア)

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