Focal Points

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2017.11.2 Thu

アメリカ政治の分裂と民主体制の危機
―― ドナルド・トランプと競争的権威主義

トランプのアメリカがファシズムに陥っていくと考えるのは行き過ぎだが、彼が大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。政府機関を政治化すれば、大統領は調査、告訴、刑事責任の対象から逃れられるようになる。政党間の分裂が激しければ、議会の監視委員会が、行政府に対して超党派の集団的な立場をまとめるのも難しい。
(ミッキー 、レヴィツキー、ウェイ)

トランプ大統領と側近たちは、「政府内部の後方撹乱者たちによる裏切り」と彼らがみなす行動に憤慨し、政治学の専門用語を借用して、「自分たちは国家内国家の(クーデターの)犠牲にされている」と主張している。だが「国家内国家」という表現でアメリカの政府機関を表現するのは的外れだろう。問題は、自分が率いているはずの政府機関の多くをトランプがあからさまに軽視し、予算に大ナタを振るい、規制ルールを廃止し、通常の手続きを踏むことを拒絶していることにある。(マイケルズ)

進行中の作戦や外交交渉がどのような状態にあるかを知らなければ、情報コミュニティが提供する情報が高官たちの必要性を満たすことはなく、無意味だと切り捨てられる。しかも、高官たちが情報を必要とするタイミングも限られている。何かに対する警告を発しても、時期尚早なら相手にされず、タイミングを逃せば情報機関の失態として批判される。もっとも大切なのは、危機に直面する前から、大統領を含む政府高官と情報コミュニティ間のスムーズに機能する実務的関係を築き、信頼を育んでおくことだ。(ミシック)

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