Focal Points

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2017.10.26 Thu

グローバル化したイスラム国
―― 増殖する関連組織の脅威

欧米諸国が、国内の若者たちがイラクやシリアへ向かうことを心配していればよかった時代はすでに終わっている。ジハード主義者たちが、中東だけでなく、中東を越えたイスラム国のさまざまな「プロビンス」を往き来するようになる事態を警戒せざるを得ない状況になりつつある。「プロビンス」を形づくる関連組織の存在は、イスラム国の活動範囲を広げる一方で、地域紛争における関連組織の脅威をさらに高めており、いずれ関連集団による対欧米テロが起きる恐れもある。(バイマン)

イスラム国勢力の支配から解放されたイラク地域で台頭している集団が二つある。イスラム国勢力に対抗するために2014年に組織され、約30のシーア派武装組織を傘下に収める人民動員隊、そしてクルディスタン民主党だ。意外にも、この二つの集団は、自らの武装集団に戦闘員をリクルートしようと民族・宗派ラインを越えた動きをみせている。支配地域を維持・拡大していくには、シーア派やクルド人からのリクルートだけでは限界があり、民族・宗派を越えたリクルートを進めるしかないからだ。(ミロノバ、フセイン)

イスラム過激派が、イラクのキリスト教徒やヤジディ教徒コミュニティ同様に、エジプトのコプト教徒コミュニティの組織的破壊を進めるのを放置すれば、中東の宗教地図は大きく塗り替えられる。特に、約900万人に達するエジプトのコプト教徒は、中東地域における最大のキリスト教集団、最大の非ムスリム集団だ。イスラム国は、シナイ半島北部の小規模なキリスト教コミュニティをすでに粉砕している。(シーア)

2017年10月号

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