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2016.09.16 Fri

イギリスはどこへ向かうのか
―― 自画像の喪失とブレグジット

テリーザ・メイはすでに、イギリスの全般的離脱アプローチをまとめるまでは、リスボン条約の50条を発動して離脱をEUに通知することはないと明言し、今後の交渉を踏まえて、イギリスにいるヨーロッパ人が離脱後もイギリスで暮らせるかどうかについても確約を与えるのを避けている。一方、当初は強硬だったメルケルやオランドを始めとするヨーロッパの指導者たちも、自国の政治状況に配慮して、交渉時期の先送り容認に向けて態度を軟化させている。(キュレン)

イギリスの政治階級は、バックミラーを見ながら、将来を考えようとしている。このために、変化する世界におけるイギリスの地位について考えることができずにいる。この現状の根底にあるのは、国家アイデンティティの危機だ。歴史的に、イギリスは世界の覇権国からの凋落を正面から受け止めてこなかった。この国の世論調査では依然として「我が国は大国であり続けることを望むべきか」という問いかけがなされる。(マーチン)

経済不安、生活水準の低下、近年の公共サービス削減に対する怒りを投票で表したEU離脱派の有権者も、最終的には問題の本質が、EUからの移民流入ではなく、イギリス経済の構造変化と保守党政権の政策にあることに気づくだろう。イギリスの政治家と有権者の多くは、長年、自国の問題をEUのせいにしてきた。(ケレメン)

2016年9月号

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