Focal Points

2016.09.05 Mon

貿易叩きという歴史的な間違い
次期米大統領のための新国防戦略
難民そしてギリシャの悲劇
(9月号プレビュー)

現実には、貿易はアメリカに大きな利益をもたらしている。雇用喪失の85%以上はオートメーション化による生産性の向上が原因で、貿易が原因による雇用喪失は13%にすぎない。それでも、大統領候補たちは貿易を激しく批判し、それが歴史的な間違いであるにも関わらず、議会によるTPP批准まで危険にさらされている。現実にはアメリカは貿易上の問題には直面していない。(アーウィン)

アメリカが重要な利益をもつ地域で支配的な力をもつ覇権国が登場するのを阻止するというアメリカの戦略目的は今も変化していない。だが、リビジョニスト国家が存在するために、地域的覇権国出現の阻止、グローバルコモンズの擁護という二つの課題をクリアーしていくのは容易ではない。リビジョニスト国家は、すでにアメリカの優位を脅かしているからだ。グローバルコモンズも同様だ。(ソーンベリー、クレピネビッチ)

EUの難民対策は、難民危機を前にヨーロッパで台頭する排外主義や極右勢力への対策として考案されており、ギリシャ政府が難民の人権に政治的インセンティブを見出すはずはない。しかも、2009年の財政危機以降、ギリシャ市民そのものが非常に困難な生活を強いられている。ギリシャにいる難民が健康を維持できるかは、低賃金で、オーバーワーク気味のギリシャの医師たちが、ボランティアで治療をするかどうかにかかっている。(シャー)

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