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2016.08.25 Thu
日韓は核を保有すべきなのか
―― 北朝鮮・中国の脅威と核拡散
日本や韓国が核武装を考えているとすれば、なぜワシントンが彼らの防衛と安全を保証しなければならないのかという考えが浮上してもおかしくない。一方で、ワシントンが日韓への防衛コミットメントを続けるかどうか迷い始めれば、両国を核武装へと向かわせるかもしれない。日本と韓国が中国や北朝鮮に対抗していくために、(核開発を通じて)独自の抑止力を構築することを望むのなら、ワシントンはそれを許容することも考えるべきだろう。(バンドウ)
日本は接近阻止・領域拒否(A2・AD)戦略への投資を大幅に増やして、中国や北朝鮮による攻撃の危険を低下させるべきだ。同盟国によるこうした試みが実現すれば、(中国など)ライバル国が持つA2・ADシステムの射程外から使用できる長距離攻撃システム、敵のA2・ADのレンジ内でも効果的に活動できる攻撃型原子力潜水艦など、米軍の強みを生かせるようになる。(クレピネビッチ)
オフショアバランシング戦略では、アメリカの血と財産を投入しても守る価値のある地域はヨーロッパ、北東アジア、そしてペルシャ湾岸地域に限定され、その戦略目的はこれらの地域で地域覇権国が出現するのを阻止することにある。さらに、その試みの矢面にアメリカが立つのではなく、覇権国の出現を阻止することに大きなインセンティブをもつ地域諸国に防衛上の重責を担わせることを特徴とする。(ミアシャイマー、ウォルト)
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日韓の核開発をアメリカは容認すべきか
―― 核の傘から「フレンドリーな拡散」へ2016年9月号 ダグ・バンドウ ケイトー研究所シニアフェロー
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日本の安全保障とA2・AD戦略
―― 緊縮財政時代の米国防戦略2012年12月号 アンドリュー・F・クレピネビッチ 戦略・予算分析センター会長
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オフショアバランシングで米軍の撤退を
―― アメリカはグローバルな軍事関与を控えよ2016年7月号 ジョン・ミアシャイマー/シカゴ大学教授(政治学)、 スティーブン・ウォルト/ハーバード大学ケネディスクール教授(国際政治)
9月号から
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貿易叩きという歴史的な間違い
―― なぜ真実が見えなくなってしまったかドナルド・トランプは、「愚かな」交渉人がまとめたひどい貿易合意のせいで、中国、日本、メキシコがアメリカを貿易面で追い込んでいると訴えている。現実には、貿易はアメリカに大きな利益をもたらしている。雇用喪失の85%以上はオートメーション化による生産性の向上が原因で、貿易が原因による雇用喪失は13%にすぎない。
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次期米大統領のための新国防戦略
―― 形骸化した軍事的優位を再確立するにはリビジョニスト国家は、長距離精密誘導兵器、対衛星兵器システム、サイバー兵器などを利用して接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力を高め、すでにアメリカの優位を脅かしている。
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ギュレン派とエルドアンとトルコ軍
―― 軍事クーデターとその後(2013年に)ギュレン派はAKPの指導層を標的に政治腐敗の調査に着手し、エルドアンはギュレン派を官僚、メディア、ビジネスからパージすることでこれに報復した。・・・そして、ギュレン派の動機と能力を警戒した軍高官たちは、ギュレン派のシンパとみられる将校たちのリストを作成していた。