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2016.07.11 Mon

エネルギーと地政学
―― 中東の原子力と米LNG輸出

モスクワ原子力関連の訓練と教育を相手国に提供することも約束しており、現地での雇用創出も期待できる。2016年4月、ロシアの国営原子力企業・ロスアトムは、アラブ首長国連邦のドバイに事務所を開設した。エジプト、イラン、ヨルダン、トルコでのロシアの原子力プロジェクトを統括することがこの事務所の役割だと考えられている。「原子炉を現地で建設、所有、稼働し、電力を相手国に約束した価格で供給する」。これがロシアのビジネスモデルだ。(コッテ、エルバーティミー)

中東では原発建設がブームになっているが、中東に原子炉を建設することの安全保障リスクがブームのなかで見えなくなっているようだ。リスクは原子炉の先に核兵器生産が見え隠れすることだけではない。原子力発電所が武装勢力の攻撃ターゲット、あるいは、占拠されて恫喝の手段とされてしまう恐れがある。これがチェルノブイリやフクシマのような核のメルトダウンへとつながっていく恐れがある。(ランバーグ)

アメリカから大量のLNG(液化天然ガス)ヨーロッパに向かうようになれば、ロシアの天然ガスは(価格競争に敗れて)市場から締め出され、モスクワは天然ガスの輸出収益の多くを失うと考えられている。しかし、この議論は天然ガス市場に関する間違った前提に依存している。いまやLNGによって天然ガスのグローバル市場が誕生しており、市場はこの見方を支えるほど単純ではない。(ツァフォス)

2016年7月号から

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