先進国と労働力
―― 新しい移民の流れを形作る
2025年3月号

難民制度や亡命制度が乱用されていることもあって、移民への反発が世界的に高まっている。だが、問題をゼロサムでとらえる必要はない。適切な制度があれば、移民、移民の出身国と受入国のすべてが恩恵を確保できるようになる。問題は、老朽化し、時代遅れのシステムが、現在の人道的ニーズ、人口動態トレンド、労働市場需要に対応できていないことだ。移住を希望する人々が母国で(開発援助による)職業訓練を受け、受入国で必要とされる仕事にアクセスできるようにし、本国に送金をし、最終的にはそのスキルを本国に持ち帰って開発を促進できるようにする。このやり方なら、受入国の労働力不足を緩和し、非正規移民になる以外に道のない人々に希望を与えられる。