インフルエンザ・パンデミックへの備えはできているか
2007年4月

いまや、H5N1ウイルスが、遺伝子の再集合プロセスを経ずに独自に変異を繰り返すことで、人から人への感染力を持つようになる可能性も浮上してきている。いつ次なるパンデミックが起き、それがどれほど重大な事態を引き起こすかを予見するのは不可能だが、それは間違いなく起きるし、緊密な相互依存を特徴とするグローバル経済のなかでパンデミックが起きれば、相互依存関係は引き裂かれ、これまでのパンデミック以上の甚大な被害を引き起こすことになる。これまで大規模な人への感染が起きていないとしても、このままパンデミックへの備えが進まなければ、最終的に世界は最悪の事態に直面することになる。