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― イランの核開発に関する論文

CFRインタビュー
イランの核開発に関する
国家情報評価報告とイスラエルの立場

2007年12月号

ジェラルド・M・スタインバーグ バー・イラン大学政治学部長

「イランは核開発計画については2003年に停止しているが、ウラン濃縮プログラムは依然として続行している」。こう指摘した今回の国家情報評価(NIE)報告を受けて、アメリカのイラン政策が変更されるのかどうか、イランを国家安全保障上の最大の脅威とみなすイスラエルは、固唾を飲んでワシントンの動向を見守っていた。アメリカ国内では、「条件を付けずにイランと直接交渉をすべきだ」という声が聞かれる一方で、すでにNIE報告をどう解釈するかについての見直しも始まっており、イランの核開発の脅威は依然として存在するという見方も再浮上してきている。米・イスラエル安全保障関係の専門家であるジェラルド・M・スタインバーグは、「NIE報告に関するアメリカでの分析がさらに進み、それが何を言わんとしているかについての慎重な分析が進めば、イランに対する圧力行使策という点では、当初考えられたほどワシントンの路線に大きな変化はない」とみなす方向へとイスラエルでの議論は収れんしつつあると指摘しつつも、むしろアメリカはイランと交渉し、「イランにイスラエルがどのように機能しているかを理解させ、彼らの政策がイスラエルにどのような影響を与える可能性があるかを考えさせる必要がある」という指摘もあるとコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

いまこそイランとの緊張緩和を

2007年9月号

レイ・タキー 米外交問題評議会 中東担当シニア・フェロー

この30年近く、双方の敵意に満ちた感情と無責任なレトリックゆえに、アメリカとイランが合理的関係を構築するのは不可能な環境にあった。イランの現実主義者は常にイデオロギー的強硬派に敗れ去り、アメリカとイランの共通の利益も、歴史的対立のなかで見えなくなっていた。しかし、現在、イランには新保守派のなかに力強い現実主義者の集団が誕生し、しかも彼らは、ワシントンとの協調路線を積極的に唱えている。これに呼応して、ワシントンが緊張緩和路線にそった包括的戦略を考案し、実施していけば、両国が相互の敵対感情を克服できる瞬間がいずれ訪れる。……アメリカが国交を正常化させ、両国が抱え込んでいるすべての懸案について話し合いを始めれば、イランは正統な必要性を満たすことを優先させるのか、それとも、自己欺瞞の妄想にとらわれ続けるのかを選ばざるを得なくなる。

CFRインタビュー
北朝鮮、イラン、インドと核拡散の行方を考える

2007年8月号

ジョージ・パーコビッチ カーネギー国際平和財団 研究担当副会長

「核兵器とプルトニウムは、平壌の指導者が経済利益を引き出し、彼らの考える安全を保障するための戦略的資産である。そうした切り札をなぜ平壌が放棄すると考えるのか、私には理解できない」。北朝鮮との合意がうまくいく保証はどこにもないと考える核不拡散問題の専門家、ジョージ・パーコビッチは、北朝鮮に続いて、イランが核武装することを現状における最大の脅威とみなし、何としても、中国とロシアを欧米の路線に同調させて、安保理、国際社会の団結をイランに対して示すことで、テヘランの自制を求める必要があると強調した。また、「いかなる国も核兵器を生産すべきではないし、核を必要としている国は存在しない」と宣言すべき歴史的節目にあるにもかかわらず、ブッシュ政権が、国際ルールを曲げて、インドとの核協力合意をとりまとめつつ、一方で核兵器の生産制限に関する約束をインドから取り付けなかったのは、ブッシュ政権内の一部に、「中国を牽制するためにはインドはもっと核を保有すべきだ」と考える者がいたからだと批判した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

CFRヒストリーメーカー・シリーズ
ウィリアム・ペリーが語る
イラン、イラク、北朝鮮危機

2007年8月

スピーカー
ウィリアム・J・ペリー 元米国防長官
司会
ジョン・マックウェシー ABCニュース国防担当記者

「米議会にとって北朝鮮との合意は毒そのものだった。(1994年の)枠組み合意が結局は不本意な結果に終わった多くの要因は、おそらくここにあると思う。問題は合意内容を履行するかどうかよりも、政治的な側面にあった。私はいまも、合意内容を完全に履行するのに必要な議会の政治的支持を得られないと判断した大統領と国務長官の読みは間違っていなかったと考えている。枠組み合意は、北朝鮮だけでなく、われわれの手で圧殺された。政治的にきちんと合意をフォローアップできていれば、状況はいまとは全く違うものだったかもしれない」(ウィリアム・J・ペリー)

イランがここにきて、ウラン濃縮のための遠心分離器の設置ペースをスローダウンし、国際原子力機関(IAEA)との協議にも前向きな姿勢をとっていることについて、「遠心分離器を設置することはともかく、それを高速で稼働させることをめぐって技術的問題に遭遇しているようだ」と核不拡散問題の専門家、ゲリー・サモアは指摘する。ただし、この動きは「新たな制裁決議を採択しないように安保理を牽制するための政治的試みの一環とみなすこともできる」と指摘した同氏は、制裁が効果を上 げ、国際社会への対応をめぐってテヘランの強硬派と現実主義者の間に亀裂が生じている可能性を示唆する。一方、イラクのシーア派勢力への武器援助については、米軍によるイランの核施設への軍事攻撃を牽制するための手段だとみる同氏は、(イラクに米軍が釘づけにされていれば)アメリカがイランの核施設を軍事攻撃した場合に、イランは、アメリカ軍を標的にした反撃を行うことができる(その結果、アメリカはイランへの軍事攻撃を行いにくい、ある種の抑止状況に置かれることになる)とコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

CFRインタビュー
イランの安全を保証して、核問題の外交解決を目指せ

2007年3月号

ロバート・ハンター
ランド研究所上席顧問

ワシントンの対イラン強硬派は、軍事攻撃路線は断念しつつあるが、永続的な封じ込めを求めて、交渉路線を阻止しようとしている。ブッシュ政権内にイランとの交渉に前向きな勢力とこうした強硬派との対立があると指摘する中東問題の専門家ロバート・ハンターは、「交渉を開始する前に、イランにウラン濃縮を停止するように求めているようでは、イランが交渉に応じるはずはない」と指摘する。イランとの交渉が成立するかどうかは、われわれが北朝鮮同様に、イランに対しても、「行動を自重し、核開発計画をすべて公開し、テロ支援も行っていないことが確認できれば、われわれは貴国の安全を保証しよう」と言えるかどうかに左右されると語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

「ブッシュ政権は、平壌がそう望むのなら、北朝鮮を改革・開放化へと向かわせるような道筋を築き、そのうえで、朝鮮半島の安全保障問題、ひいては北東アジアでの大国間関係のための枠組みをつくろうと、中国、日本、韓国、ロシアの4カ国との協調路線を試みている」。2月の6者協議での合意は、「こうした壮大な計画の序章にすぎない」と語るロバート・ゼーリック前国務副長官は、北朝鮮が開放路線を選択するかどうかは、はっきりとしないとしながらも、今回アメリカが描いた道筋は「金正日が改革と経済開放路線を推進していけば、北朝鮮がさまざまな機会を手にできるように設計されており」、これに北朝鮮への安全の保証、和平条約の締結を組み合わせれば、「改革・開放路線をとれば、体制の崩壊につながる」とみる平壌の危機感を緩和させて、北朝鮮の核問題に対処していく広範な枠組みにできると指摘した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

イランとの選択的パートナーシップを
――新しい中東の現実をふまえた問題管理策を

2007年1月号

ゲーリー・シック コロンビア大学ガルフ2000プロジェクト エグゼクティブ・ディレクター

アメリカとイランは、石油資源を持つペルシャ湾地域における重要なプレーヤーであり、両国の関係がどのようになるかでこの地域の命運が左右される。イランの台頭と強大化、出口の見えないイラクの混迷、そして姿を現しつつあるシーア派の三日月地帯に特徴づけられる新しい中東に対処していくにはどうすればよいのか。重要なのは、イラン問題は当面解決できず、管理していくしかないことを認識することだとレイ・タキーは言う。変化し続けるさまざまな問題をめぐって、アメリカは、イランとの選択的パートナーシップを構築する必要があるし、イランを世界経済と地域安全保障の枠組みに参加させれば、アメリカは共通の懸念についてイランと協力していく基盤を築くことができる、と同氏は指摘している。

「イラン対イスラエル」へと変化した中東紛争の構図

2006年12月号

ゼーブ・シーフ ハーレツ紙記者

ヒズボラが2000年以降、イスラエルの都市センターを脅かす恐れのあるロケットを備蓄していることを察知しながらも、イスラエルはこれまで攻撃を慎んできた。そのイスラエルが、なぜ今回ヒズボラとの紛争の道を選んだのか。それは、ヒズボラとハマスの連帯、イランとヒズボラの連帯を早急に切り崩す必要があると判断したからだ。シリアがロケットをヒズボラに提供し続けていたにもかかわらず、「ダマスカスがイスラエルの攻撃によって危機にさらされることはない」とイスラエルが表明したのも、シリアとの戦端を同時に開くことを避け、シリアを助けるという口実でイランが介入してくるのを阻止したかったからだ。いまや中東紛争の構図は「イランVS.イスラエル」へとシフトしている。イスラエルは、パレスチナ問題をめぐる政治的妥協を試み、来るべきイランとの衝突に備えた政治環境の整備に努める必要がある。

CFRブリーフィング
北朝鮮経済制裁とイランの核問題の行方

2006年11月号

ライオネル・ビーナー  CFR スタッフライター 

今後、北朝鮮に対する厳格な制裁措置が間違いなく履行されていけば、イランも考えを改めるかもしれないが、現実にそうなるとは思えないし、中国とロシアが、イランに対して強硬な路線へとシフトするとも考えにくい。むしろイランの交渉上の立場は今後強まっていくと考える専門家は多い。北朝鮮は核不拡散条約(NPT)から離脱し、公然と核開発の意図を表明し、プルトニウムの再処理を通じた核分裂物質の生産を試みていたが、イランの場合、ウラン濃縮による核分裂物質の生産を試みているとはいえ、今もNPTに加盟しており、核兵器の開発ではなく、核の平和利用を目指していると繰り返し表明している。ブッシュ政権の高官のなかには、イランのような核開発の初期段階にある相手には、外交的に対処したほうが成果を期待できると考える者もいる。

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