1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

― 中国経済の成長とリスクに関する論文

中国・ロシアを国際秩序に組み込む道

1997年7月号

マイケル・マンデルバーム  外交問題評議会・東西関係プロジェクト議長

「正統的共産主義」がすでに崩壊・解体しているにもかかわらず、ロシアと中国はいまだに新たなシステムを構築できずにいる。そのため両国では、国内ではナショナリズムが幅を効かせ、対外的には自国の主権や地位に過度に敏感な外交路線が採用され、こうした環境を背景に、「ウクライナと台湾が、世界でもっとも危険なスポット」として浮上してきている。大切なのは、国際社会が現状の変革に反対していることを明確に伝え、彼らの現状変革の試みを今後も先送りし続けるように仕向け、すでに定着しつつあるポスト冷戦秩序のなかに、この二つの国家をゆっくりと組み込んで行くことである。いまわれわれに必要なのは、厄介で他の存在を脅かすようなロシアと中国の行動パターンが永続的ではないことを認識した上での、「忍耐強さ」である。

香港返還を読み違えるアメリカ

1997年7月号

フランク・チン  『ファーイースタン・エコノミック・レビュー』誌・シニアエディター

香港の今後をめぐるメディアの懸念は明らかに行き過ぎである。たしかに、主権の返還が制度面にとどまらない政治的混乱をある程度伴うのは避けられないだろうし、返還後の人権、政治システムについての中国の姿勢に世界のマスコミが懸念を募らせてもおかしくはない。だが、中国が香港を徹頭徹尾「経済都市」と捉えようとし、経済システムの多くを温存しようと努めていることを忘れてはならない。中国が「七月一日を期してすべてを破棄してしまおう」ともくろんでいるわけではない。事実、北京政府は「金の卵を生むガチョウとしての香港」が別個の行政・政治単位としての国際的地位を維持するのを認めているし、さらに、台湾の再統一を最終目標にしている中国は、「一国二制度」のテスト・ケースである返還後の香港がうまくいかなければ、最終目標の実現がさらに遠のいてしまうことを十分承知している。これこそ、中国が香港をめぐるこれまでの穏当な約束を尊重すると信じるに足る強力な理由である。香港の不安定化を詮索するのは、少なくとも現段階では「時期尚早」である。

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