米中衝突を制御するには
―― 対立のエスカレーションと戦争リスク
2021年3月号
ワシントンが経済のディカップリング(切り離し)と全面的な対中対決路線を選べば、世界のあらゆる国はどちらかにつかざるを得なくなり、エスカレーションリスクは高まる一方となる。ワシントンと北京がそのような結末を回避できるかについて、専門家が懐疑的な見方をしているのは無理もない状況にある。必要なのは米中間の「管理された戦略競争」枠組みだろう。双方の安全保障政策と行動に一定の厳格な制約を設けつつも、外交、経済、イデオロギーの分野ではオープンで全面的な競争を展開する。一方で、二国間アレンジメントや多国間フォーラムを通じて、特定の分野では協力する。このような枠組みを構築するのは難しいとしても、不可能ではないだろう。そうしない限り、壊滅的な結末に直面する恐れがある。
