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習近平は父から何を学んだか
―― その経験と政治的教訓

オービル・シェル アジア・ソサエティ 米中関係センター ディレクター

The Miseducation of Xi Jinping: How a Father’s Struggle Revealed the Price of Power

Oriville Schell アメリカの中国研究者でジャーナリスト。現在は、アジア・ソサエティ米中関係センター ディレクター。カリフォルニア大学バークレー校 ジャーナリズム大学院学院長を経て現職。

2025年12月号掲載論文

1962年、毛沢東政権の幹部だった父・習仲勲が政治的に粛清されたとき、習近平はまだ9歳だった。父が粛清されたことは習近平の心の傷となった。10代のときに、子供たちが憧れる共産主義青年団への入団を8回も拒絶されたことは大きな屈辱だったはずだ。毛沢東が死去した1976年、鄧小平が政権に復帰し、父・習仲勲はようやく北京に戻ることを許され、深圳で新しい経済特区を立ち上げることにも関わった。2002年に習仲勲は死去し、その10年後、息子は中国の最高指導者になった。習近平は父親の改革主義の足跡をたどり、法の支配を前提とするシステムを採用し、自由経済を歓迎するようになると多くの人々が考えていた。だが、そうはならなかった。

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