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戦争とストーリーの力
―― ホメロスとヘロドトス

エリザベス・D・サメット 米陸軍士官学校 教授(英文学)

The Military-Narrational Complex: What Stories Do in an Age of Conflict

Elizabeth D. Samet 米陸軍士官学校(ウエストポイント)の英文学教授。著書にLooking for the Good War: American Amnesia and the Violent Pursuit of Happinessがある。本稿で示された見解は、サメット個人のもので、米陸軍省、国防総省、または米政府の政策や立場を反映するものではない。

2025年12月号掲載論文

ストーリーはいまや社会的、政治的、歴史的な真実を広める最大の手段となり、合理的な議論をしのぐようになった。文学理論家のピーター・ブルックスが指摘するように、最高のストーリーは、神話的な地位を獲得し、その時点で、「それがフィクションであることは忘れられ、それが本当に世界を説明しているとみなされる」。特に戦争のストーリーがもてはやされるのは、人間にとって、自らの内面に目を向けるよりも敵と対比して自らを定義するほうがずっと簡単だからだ。競合するストーリーが、人間や国家を戦争に導くこともある。ひとたび大きな紛争が起きると、参加者も傍観者も、暴力のうねりと自分の関係を理解しようと、ますます多くのストーリーを受け入れるようになる。

  • ストーリーの力
  • 戦争とアイデンティティ
  • ホメロスとヘロドトス
  • フィクションがもつ力

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