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経済制裁対ロシアの資源ツール
―― 変貌する欧州とロシアの経済関係

ニクラス・ポワチエ シモン・タリアピエトラ グントラム・B・ウルフ ゲオルグ・ザックマン

The Kremlin’s Gas Wars How Europe Can Protect Itself from Russian Blackmail

Niclas Poitiers ブリューゲル社リサーチフェロー Simone Tagliapietra ブリューゲル社シニアフェロー、ミラノ・カトリック大学兼任教授 Guntram B. Wolff ブリューゲル社ディレクター、ブリュッセル自由大学ソルベー校教授(非常勤) Georg Zachmann ブリューゲル社シニアフェロー

2022年4月号掲載論文

EU加盟国間でロシア天然ガスに対するニーズに開きがあることが、モスクワがヨーロッパにつけ込む余地を高める恐れがある。ベルギー、フランス、オランダの天然ガス輸入に占めるロシアの割合は10%未満で、スペインとポルトガルは全く輸入していない。これに対してドイツは天然ガス輸入の約半分を、イタリアは約40%をロシアに依存している。しかも、ロシア軍のウクライナ侵攻後に、ヨーロッパの天然ガス価格は60%も跳ね上がっている。今後検討される制裁の範囲がさらに拡大し、長期化するにつれて、ヨーロッパが受けるダメージも大きくなり、モスクワの分割統治戦略が成功する見込みは高まっていくかもしれない。プーチンに対して有効な対抗策を打ち出すには、ロシアの恫喝にもっとも弱いEU加盟国を支援し、ヨーロッパのエネルギー市場構造を見直す必要がある。

  • エネルギー依存度
  • ロシアのヨーロッパ分断戦術
  • 長期戦への覚悟

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