Federalreserve, Public domain, via Wikimedia Commons

国際最低税率合意の意味合い
―― 合意は改革への序章にすぎない

ラス・メイソン バージニア大学法科大学院 栄誉教授(法律と課税)

The Fine Print on the Global Tax Deal Domestic Politics Could Prevent Sweeping Reform

Ruth Mason バージニア大学法科大学院栄誉教授。

2022年1月号掲載論文

多国籍企業の世界最低税率に関する国際合意の狙いは、課税逃れへの防波堤を築き、(底辺への競争とも呼ばれる)法人税率の世界的な引き下げ競争を抑えることにある。コロナ対策への財源確保や格差是正に向けた各国の思惑もある。これまで、税率を設定する権限は、国が手放してはならない主権の中核要素だと長く考えられてきた。しかし、世界の国内総生産(GDP)の90%以上、人口のおよそ75%を占める136の国・地域による1年近くにわたる交渉の末、国際法人税制における前提としての物理的プレゼンスの重要性を抑え、グローバルな法人最低税率を導入することが合意された。国際最低税率合意は画期的なものと評価されているが、その価値はすべて今後の展開にかかっている。真っ先に直面する障害が各国の国内政治だ。・・・

  • 国際合意の課題と背景
  • デジタル税とパンデミック
  • ビッグテックへの課税権
  • 各国の政治的思惑
  • 国内での展開
  • 途上国にとってのメリットはあるか
  • 国際協力を支持する

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