Kit LL / Shutterstock.com

米経済の復活とコロナショック
―― 経済覇権の米中逆転はあり得ない

ルチール・シャルマ  モルガン・スタンレー インベストメント・マネジメント 主席投資ストラテジスト

The Comeback Nation U.S. Economic Supremacy Has Repeatedly Proved Declinists Wrong

Ruchir Sharma モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント主席投資ストラテジスト。最近の著作にThe Ten Rules of Successful Nationsがある。

2020年6月号掲載論文

多くの人は、米経済が2010年に復活を遂げ、この10年にわたって黄金時代を謳歌していたことを見落とし、アメリカ衰退論に囚われている。パンデミックショックが本格的な金融危機を引き起こせば、問題を抱える企業が世界中で債務不履行に陥り、最終的にはアメリカ金融帝国にとっても脅威となるだろう。しかし、巨大な公的債務だけでなく、ゾンビ企業が企業債務の10%を占める現在の中国は、そうした危機に対してアメリカ以上に大きな脆弱性をもっている。結局、経済成長にとってもっとも重要なのは生産年齢人口であり、アメリカではこれが依然として増大しているのに対して、中国では5年前から減少に転じている。アメリカが世界最大の経済大国の地位を失うことも、米中逆転も当面あり得ない。

  • 金融危機からの完全復活
  • 2010年代の黄金期
  • 揺るがないドルの覇権
  • 楽観の時代へ
  • 財政赤字と債務の拡大
  • 米中逆転はあり得ない

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2020 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top