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消し去られた中国共産党の歴史
―― 共産党は歴史をいかに抹殺したか

オービル・シェル アジア・ソサエティ 米中関係センター ディレクター

China’s Cover-Up: When Communists Rewrite History

Orville Schellアメリカの中国研究者でジャーナリスト。現在は、アジア・ソサエティ米中関係センター ディレクター。カリフォルニア大学バークレー校 ジャーナリズム大学院学院長を経て現職。

2018年1月号掲載論文

毛沢東時代の中国共産党はさまざまな社会層を対立させただけでなく、残忍な大衆運動が作り出す波状的なうねりのなかで、考えられぬ規模の人々が殺されるか、破滅へと追い込まれた。民衆に想像を絶する苦しみと死をもたらしたにもかかわらず、党がその過ちを公的に認めたことはない。現在の中国は、比較的安定した時代にある。中国は過去を清算して、その傷を癒やし、次の段階に進む道を見つけたと考える人もいるかもしれない。だが、実態はそのイメージからはかけ離れている。共産党は「過去をなかったことにしよう」と試みている。少しでも過去の不徳を認めるのは、党の正統性と一党独裁の権限を傷つける恐れがあるからだ。中国共産党が権力の座にあるかぎり、過去への反省が表明されることは決してないだろう。だが、その帰結を考える必要がある。

  • 消し去られた過去
  • 歴史の抹殺
  • 過去をどう記憶するか
  • ヤスパースとフロイト
  • 危険な歴史

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