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TPPをRCEPで代替せよ
―― アジアの自由貿易をいかに実現するか

シロー・アームストロング オーストラリア国立大学フェロー

A New Deal in Asia
―― Can RCEP Pick Up Where the TPP Left Off?

Shiro Armstrong オーストラリア国立大学クローフォードスクール フェロー、同大学付属豪日研究センター共同ディレクター。

2017年5月号掲載論文

アメリカの離脱によって、環太平洋パートナーシップ(TPP)構想は実質的に消滅しつつあり、いまやアジアの優先課題は「市場開放路線を維持し、リベラルな秩序を強化していく他の方法を見つけ出すこと」にある。日米間の二国間貿易協定は有益だが、これだけでは、アジア全域の自由貿易を保証することにはならない。地域的自由貿易を実現するには、中国、インド、インドネシアなど、他の主要なアジアの経済大国が市場開放へのコミットメントを示すことが不可欠だからだ。当然、アジアにおいてルールに基づく経済秩序を強化する上でもっとも有望なのは、東アジア地域包括経済連携(RCEP)構想だろう。RCEPは中国主導の構想と思われがちだが、現実にはRCEPを支えているのは東南アジア諸国連合(ASEAN)だ。今後の合意にTPPの一部条項を取り込んでいくこともできる。世界で保護主義とナショナリズムが台頭するなか、アジアにとっても、これまでのやり方を続けるだけでは十分ではないのだから。

  • TPP後のアジア
  • RCEPを主導するASEAN
  • RCEPのポテンシャル

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