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原油供給とアメリカの軍事戦略
―― ペルシャ湾岸からの米軍撤退を

チャールズ・L・グレーザー ジョージ・ワシントン大学教授(政治学)
ローズマリー・A・ケラニック ウィリアムズ・カレッジ准教授(政治学)

Getting Out of the Gulf

Charles L. Glaser ジョージ・ワシントン大学教授(政治学) 、 Rosemary A. Kelanic ウィリアムズ・カレッジ准教授(政治学)

2017年2月号掲載論文

湾岸石油の供給混乱を阻止するために必要なコストは、いまや軍事関与によって得られる恩恵を上回りつつある。冷戦期には国家安全保障と経済的繁栄の二つがペルシャ湾岸に関与する目的だったが、いまや重視されているのは経済的繁栄だけだ。しかもほとんどのアメリカ人が経済利益のために米軍をリスクにさらすことに否定的になり、ペルシャ湾岸への軍事介入の敷居は高くなっている。むしろ、湾岸石油の大規模な供給混乱の衝撃を緩和する非軍事的クッションに投資して、軍事コミットメントをやめるための選択肢を作り出すべきではないか。実際、戦略備蓄を増大させれば、アメリカは(ホルムズ海峡)封鎖その他で市場に供給されなくなった原油を(当面は)代替できる。消費を抑える燃費基準の引き上げも、ガソリン税の引き上げも、供給の乱れの衝撃を小さくする助けになる。短期的にはともかく、最終的には湾岸への軍事関与を打ち切るための措置をとる必要がある。

  • 湾岸防衛のバランスシート
  • エネルギー自給をめぐる誤解
  • 四つのリスクシナリオ
  • 供給混乱の経済コストは
  • 軍事コミットメントのコスト
  • よりすぐれた代替オプション
  • 終わりの始まり

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