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中国とアジアの新しい現実
―― アジアを求めるアジア

エバン・A・ファイゲンバーム シカゴ大学ポールソン研究所副所長

China and the World ―― Dealing With a Reluctant Power

Evan A. Feigenbaum シカゴ大学ポールソン研究所副所長。南アジア担当国務副次官補(2007―2009年)、中央アジア担当国務副次官補(2006―2007年)、国務省東アジア担当政策立案スタッフ(2001―2006年)、米外交問題評議会などを経て現職。

2017年2月号掲載論文

世界でもっとも急速に成長している国々を取り込まなければ、国際システムは機能しない。中国やインドといった新興国をきちんと仲間に入れなければ、これらの国はよそに目を向けるだけだ。逆に言えば、今後ほとんどの国際機関で、新興国の発言力が強化されるにつれて、自由主義的な価値をもつヨーロッパ諸国の発言力は低下していく。但し、中国に現在の国際システムを全面的に覆すつもりはない。むしろ、現在のシステムの不備を補完しようと試みている。AIIB(アジア・インフラ投資銀行)はその具体例だ。ワシントンはAIIBや一帯一路構想を、アメリカの試みにダメージを与える策略とみなすべきではない。むしろこの構想は、アジア諸国が投資や経済協力に関して、欧米に頼るのではなく、お互いを頼り始めた証拠だろう。その結果、アジアは2030年までに、アメリカが台頭する前に存在した統合された大陸、つまり「アジア太平洋」ではなく「アジア」になっていく可能性が高い。

  • 中国は国際システムをどうみているか
  • 秩序の利害共有者へ
  • 中国の何が問題なのか
  • 汎アジア主義とワシントンの誤解
  • アジアにおける新しい現実

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