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新「トルコ国家の父」を目指したエルドアン
―― なぜ権威主義的ナショナリズムへ回帰したのか

ハリル・カラベリ ザ・ターキーアナリスト編集長

Erdogan’s Journey ―― Conservatism and Authoritarianism in Turkey

Halil Karaveli 中央アジア・カフカス研究トルコセンター&シルクロード研究合同センターのシニアフェローで、同研究所が発行するThe Turkey Analystの編集長。https://www.turkeyanalyst.org/

2016年12月号掲載論文

これまで経済・政治の自由化を約束してきたエルドアンが、なぜ非自由主義的な権威主義路線の道を歩んでいるのだろうか。いまや彼は伝統的な中東の強権者となり、自分の権力基盤を固め、ライバルを追放し、反体制派を抑圧している。エルドアンの本来の目的は、保守的な社会秩序を維持する一方で、クルド人などの国内の少数派民族・文化集団との関係を修復していくことにあった。クルド人を含む、トルコ市民の多くが信奉する「スンニ派イスラム」を国の統合原理にしたいと考えてきた。しかし、クルドとの和平に失敗したことからも明らかなように、「スンニ派イスラム」だけでは、21世紀に向けた持続的な政治秩序を育んでいくトルコのアイデンティティを形作れなかった。こうしてエルドアンは、伝統的な権威主義的ナショナリズムへと立ち返らざるを得なくなった。・・・

  • エルドアンの目的
  • 変節の人
  • 世俗主義は終わっている
  • エルドアンの思想的変遷
  • メンデレスの教訓
  • 少数派と社会統合
  • トルコのアイデンティティとは

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