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人がモノを買い、消費する前提は何か
―― 消費者の富と国家の富

ビクトリア・デ・グラツィア/コロンビア大学教授(歴史学)

Having It All
―― A History of Global Consumption

Victoria de Grazia コロンビア大学教授(歴史学)

2016年7月号掲載論文

20世紀初頭のアメリカの物質的豊かさと個人消費が『消費社会』という概念と結び付けて考えられがちだが、実際には「物質的生活」が初めて世界に登場したのは、15世紀ルネッサンス期のイタリアにおいてだった。人間の正常な活動の一部として、消費文化は世界各地で広がりをみせた。これまで、消費活動は欧米的なものと言われ、最近の中国の新興富裕層と中間層による派手な消費は、中国社会になじみのない新しい現象だと言われてきた。だがこれは間違っている。「万が一に備えて貯蓄する必要性が減り、消費傾向が高まる」ことで促される消費活動は公共政策に影響される経済的な現象であり、政治的現象でもある。実際、大恐慌後、国の繁栄を取り戻すには消費を喚起する必要があることが認識されるようになると、消費者は公共政策と法的保護の対象にされるようになった。要するに、国家の富は消費者の富によって支えられている。・・・

  • 消費の歴史
  • 消費に関する一般的な誤解
  • 公共政策と消費
  • 消費の未来

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