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2016年の政治的意味合い
―― アメリカの政治的衰退か刷新か

フランシス・フクヤマ スタンフォード大学国際研究所 シニアフェロー

American Political Decay or Renewal

Francis Fukuyama スタンフォード大学国際研究センター・シニアフェロー。ランド研究所研究員、国務省政策企画本部スタッフ、ジョージ・メーソン大学教授などを経て現職。著書に『歴史の終わり』がある。フォーリン・アフェアーズで「『歴史の終わり』の後の世界地図」、「歴史の未来―中間層を支える思想・イデオロギーの構築を」等の論文を発表している。

2016年7月号掲載論文

2016年の米大統領選挙の本当のストーリーとは、経済格差が拡大し、多くの人が経済停滞の余波にさらされるなか、アメリカの民主主義がついに問題の是正へと動き出したことに他ならない。有権者の多くは、彼らが「堕落し、自分の利益しか考えない」とみなすエスタブリッシュメントに反発し、政治を純化して欲しいという願いから急進派のアウトサイダーを支持している。社会階級がいまやアメリカ政治の中枢に復活し、人種、民族、ジェンダー、性的志向、地域差をめぐる亀裂以上に大きな問題として取り上げられている。とはいえ、ポピュリストの政策を実施すれば、成長を抑え込み、政治の機能不全をさらに深刻にし、事態を悪化させるだけだ。・・・必要なのは、大衆の怒りをすぐれた政治家と政策に結びつけることだ。

  • 大統領選挙の本当のストーリーとは
  • ポピュリズムを支える社会の荒廃
  • なぜ変化に政治的に対処できなかったか
  • 貿易と雇用
  • 前に進むには
  • システムの改革を

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