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ロシアのシリア介入戦略の全貌
―― そのリスクとベネフィットを検証する

デミトリ・アダムスキー/IDCヘルズリア 准教授

Putin's Syria Strategy

Dmitry Adamsky イスラエル国防軍で情報分析、戦略立案を担当した。現在は、IDCヘルズリアの准教授。専門は国際安全保障、戦略研究、イスラエルの安全保障、ロシアの国家安全保障政策など。

2015年11月号掲載掲載論文

シリアを安定化させて、ロシアの地域的プレゼンスを維持できるようにすることを、モスクワはおそらく介入の最終目的に据えている。初期段階ではシリアの沿海部の安全を確保し、この地域での影響力の強化を試みるはずだ。この地域には、ラタキヤやタルトゥースなど、ロシアがこれまでも影響力をもってきた施設がある。とはいえ、モスクワはシリアにおける地上戦の殆どを同盟勢力に委ねるだろう。作戦計画に参加し、情報を共有し、ターゲットを選定するとしても、ロシアの大隊をダマスカスで日常的に見かけるようなことにはならない。・・・地上戦を担うのは、残されたアサドの部隊、イランの革命防衛隊と民兵部隊バスィージ、そしてレバノンのヒズボラだろう。問題は、イスラム国に対する作戦を開始した当初は、この同盟勢力間の連帯を維持できても、作戦が長期化し、特にアサドが支配する地域の安定化が実現すれば、同盟勢力の利益認識が次第に分裂し始めると考えられることだ。・・・

  • モスクワの目的
  • ロシアのパートナーたち
  • 待ち受けるリスク

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