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CFR Experts Brief
移民問題とヨーロッパの統合
―― 通貨危機から難民危機へ

セバスチャン・マラビー 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)

Borderline Chaos

Sebastian Mallaby 米外交問題評議会国際経済担当シニアフェロー。著書にMore Money Than God: Hedge Funds and the Making of a New Eliteがある。

2015年10月号 掲載論文

現状では、難民受け入れをドイツが主導し、一方で、東ヨーロッパ、中央ヨーロッパ諸国はこれに否定的だ。いずれにせよ、ヨーロッパの難民危機は、今後当面続く。シリアだけでも、すでに400万人が国を後にし、700万人が国内避難民と化している。これまでのところ、シリア難民のごく一部がヨーロッパの海岸に押し寄せているに過ぎない。欧州連合(EU)がこの課題への集団的対応策を見いだせなければ、非常に無様な疑問が浮上することになる。ヨーロッパの国境線が抜け穴だらけになった場合、EUメンバー国は「域内の自由な人の移動」へのコミットメントを維持できるだろうか。移民の流れをうまく管理できなければ、ヨーロッパの有権者のヨーロッパ統合への熱意がさらに揺るがされることになりかねない。

  • 対応をめぐる分裂
  • 二分されたヨーロッパ
  • キャメロンのジレンマ

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