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非国家アクターとしての宗教の台頭
―― グローバル化時代の宗教

スコット・M・トーマス バース大学上席講師(国際関係)

A Globalized God ―― Religion’s Growing Influence in International Politics

Scott M. Thomas 英バース大学上席講師(国際関係)。ロンドン大学ヘイスロップ・カレッジのキリスト教・宗教間対話センターのリサーチフェロー。

2011年1月号掲載論文

新しい世界が形成されつつあり、そのおもな担い手は途上世界を構成する国と人々、そして宗教コミュニティだ。そして、昨今の宗教の興隆の大きな特徴は、イスラムの台頭だけではなく、ペンテコステ派と福音主義プロテスタント(福音派)が中国やインド、途上国で大きな広がりをみせていることだ。また宗教系非国家アクターの台頭にも注目する必要がある。世界最大のイスラム組織「タブリギ・ジャマート」、中国の法輪功なども、カトリック教会や東方正教会のように、国際関係に影響を与えるグローバルな宗教プレイヤーの仲間入りを果たしている。しかも、途上世界では社会奉仕ネットワークとテロネットワークの多くが重なり合っている。また、途上国の人々がわれわれと同じ宗教を受け入れても、欧米における(保守やリベラルといった)政治志向をそのまま映し出すことにはならない。グローバル化がいかに宗教を変貌させるかは、テロや宗教紛争といった安全保障上の脅威が今後どう推移するかさえも左右することになるだろう。

  • 途上国で台頭するキリスト教
  • ペンテコステと福音派の台頭
  • 中印で広がりをみせるキリスト教
  • ロシアにおける正教会の復興
  • グローバル化された宗教
  • 信仰と外交政策
  • 今後の宗教

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