「私はサウジアラビアの抑圧体制を、石油資源を持たないスウェーデン同様に扱いたいと考えており、そのためには、エネルギー自立路線を確立する必要がある」
「イラク駐留米軍の最高司令官であるペトレイアス将軍が提言するタイミングよりも早い段階で、大統領としての私がイラクからの撤退を開始することは決してない」
「かなりの規模の戦力を残して治安の維持と拡大・強化に努めなければ、努力して手に入れた成果を失うことになりかねない」
1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。
「私はサウジアラビアの抑圧体制を、石油資源を持たないスウェーデン同様に扱いたいと考えており、そのためには、エネルギー自立路線を確立する必要がある」
「イラク駐留米軍の最高司令官であるペトレイアス将軍が提言するタイミングよりも早い段階で、大統領としての私がイラクからの撤退を開始することは決してない」
「かなりの規模の戦力を残して治安の維持と拡大・強化に努めなければ、努力して手に入れた成果を失うことになりかねない」
2008年2月号
「旧野党が連帯を組んだとしても、各政党間の反目は根強く、これが消えてなくなることはない。政府ポストの任命の段階になれば、激しく対立するようになる。地方政府レベルでも政治抗争が展開されていくことになるだろう」
「政府と軍の関係もパキスタン政治の亀裂を深くしていくことになる。文民指導者が台頭していけば、パキスタンで大きな影響力を持つ軍との関係も微妙になってくる。軍に対して現実的なアプローチをとるべきか、それとも反軍部の路線をとるかが問われることになるからだ」
「(パキスタンでの文民政府の誕生は、政治腐敗がますます増えることを意味すると考えられている)……歴史的に、文民政府が本来の道を踏み外すと、人々は軍が介入することをむしろ歓迎してきた。この悪循環を断つ必要がある」(D・マーキー)
2008年1月号
「勝利を収め、治安を確保し、再建する」というのは簡単な手続きに思えるかもしれないが、歴史的にみて、軍事的に勝利を収めても、援助を与え、現地政府がプレゼンスを確立し、サービスを提供できる程度に治安を安定させ、国を再建できるようにならない限り、軍事的な勝利も瞬く間に陳腐化する。イラクもパキスタンもこのリスクに直面しているとみる軍事問題の専門家アンソニー・コーデスマンによれば、イラク南部では二つの武装勢力が権力抗争に向けた準備を整えつつあり、一触即発の状態にあるし、アフガニスタンにおいても2008年の春にタリバーンが再攻勢に転じ、深刻な危機をつくりだす恐れがある。そうでなくても、2月に予定されているパキスタンの議会選挙が実施されるかどうかを含めて、このタイミングで危機が生じる恐れがあり、その結果、パキスタンがタリバーンやアルカイダが好きにできるような混乱に陥っていく危険がある。「パキスタンの選挙からアメリカの大統領選挙が終わるまでの間に、われわれは、突如として愕然とするような事態に直面する危険がある」と同氏は語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
「平和がなければ成長することはできないと言われながらも、われわれの経済は成長している……戦争が起こり、軍事支出が重なった2006年でも、財政赤字は国内総生産(GDP)の1%以下だった。……戦時下においても、どのように行動するべきなのかを経済人が理解している。……和平合意がなくともイスラエル経済は成長できると私は考えているが、合意があれば成長はもっと速くなるだろう。イスラエル経済が10年にわたって6、7%で成長することは不可能だと断定できる材料はどこにもない。それどころかイスラエルは、経済成長に必要な要素をすべて備えている。所得レベルはアメリカの約半分で一人当たりGDPは2万3千ドル程度。まだまだ上昇の余地が残されている。労働力の質も高く、1990年代にソビエトからのユダヤ系移民によって熟練労働力が拡充された。経済成長に必要な要素がすべてそろっていることを考えると、安全保障の問題が解決されれば、経済成長はさらに加速するはずだ」
2007年12月号
イスラム系政党である公正発展党(AKP)の政治的台頭を前に、トルコのイスラム化への懸念をトルコの世俗派も欧米世界の一部もぬぐい去ることはできずにいる。だが、そうした懸念の多くは誤解に根ざしている。いまやAKPと軍の役割が入れ替わっている。実際には、AKPとその支持者が親欧米路線とグローバル化を支持するようになり、軍部とケマリストの指導者はより内向きとなり、欧州連合(EU)とアメリカへの反発を強めている。現在のトルコが直面している切実な国内問題とは、イスラム化ではなく、ヨーロッパとアメリカに対するナショナリズムからの反発が大きくなりつつあることだ。……トルコ国内の民主改革と欧米志向の外交政策を促進していくには、トルコの政治的現実からみて、AKP以外に支持すべき政治勢力は見あたらない。
2007年11月号
トルコはいまや中東における重要な外交プレーヤーとして台頭している。イランやシリアとの関係を修復し、パレスチナにも前向きなアプローチをとるようになり、広くアラブ世界との関係強化を試みている。こうした状況を前に、ワシントンには、トルコの外交政策が「イスラム化」していくのではないかと懸念する者もいる。だが、トルコが中東に積極的に関与し始めたのは、冷戦終結以降、トルコが外交路線を多様化させていることの結果である。現実には、トルコは、歴史的に自らがその一部だった地域を再発見しつつある。イラクのクルド地方政府とトルコの対立をどう解決して、イラクを安定化させ、トルコを中東への貴重な懸け橋の役目を果たしてくれるようにするか。ワシントンは、独立路線と自己主張を強めるトルコに圧力をかけるのではなく、そのようなトルコにうまく向きあっていくことを学んでいく必要がある。
2007年11月号
パキスタン軍部とその情報機関である軍統合情報部(ISI)は、クーデター、武装勢力への支援、近隣国の内政への介入などを通じて、建国以来、一貫してこの国の政策決定の中枢を担ってきた。だが、これまでイスラム武装勢力を外交ツールとして利用してきた軍とISIも、こうした武装勢力を抑え込まない限り、地域的な混乱と不安定化をめぐって国際的にますます批判されかねない状況へと追い込まれている。こうしたなか、軍の支配構図も少しずつ変化しだしているし、ムシャラフの軍参謀長辞任によって、さらに流れが変わる可能性もある。また、チョードリ判事解任の顛末からも明らかなように、裁判所も政治からの独立性をいまや主張するようになった。だが、最大の変化はメディアが力をつけてきていることだ。「すでにニュース情報が、この国の民主化運動のバックボーンを提供している」とみる専門家もいる。また、2003年以降、パキスタン経済は年平均で6・5%の成長を遂げており、こうした経済の拡大もパキスタンにおける政治制度の移行を促すことになるかもしれない。とはいえ、軍の影響力は依然として大きいし、政党も分裂している。来年早々に予定されている議会選挙でこれらの社会変数の何がどう変わるか、パキスタンの政治体制の移行が実現するかどうかが大いに注目されている。
2007年11月号
ムシャラフ大統領が「不本意ながら」、今回の非常事態宣言の発令という措置をとったのは真実かもしれない。実際、文民大統領となり、軍の職を辞任し、軍参謀長に信頼できる人物を据えた上で、ベナジル・ブットのパキスタン人民党(PPP)も含めた諸政党が参加する国政選挙を行うことを視野に入れた長期的な計画をムシャラフは用意していた。「だが、これを困難にするような事態が重なって起きた」とダニエル・マーキーは指摘する。「連邦直轄部族地域(FATA)とその境界地域で紛争が起きるとともに、全国レベルで暴力事件が多発するようになった」ことに加えて、パキスタン最高裁判所がムシャラフ大統領の再選の正統性を否定する判断を下すという見通しも、今回の非常事態宣言の発令を誘発した原因となったと同氏は言う。だが、混乱のなかにあるとはいえ、選挙までのロードマップを示せば、パキスタンの政治勢力も希望を見いだすようになり、「イスラム過激派と手を組んで反政府行動に出るより、議会選挙に参加するほうを選ぶようになる」とみる同氏は、選挙の実施こそ、イスラム過激派と反政府政治勢力を分断し、パキスタンが混沌へと陥っていくのを回避する唯一の方法だと強調した。聞き手は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
アメリカのイラク政策はすでにシフトしている。ある程度うまくいっているクルド人地域の成功を固め、イラク南部を統御しようとしているシーア派の武装勢力やイラン人の活動にはある程度目をつぶり、イラクの中央政府ではなく、スンニ派をもり立てる路線へとシフトしている。対イラク政策の変更をこう指摘するリチャード・ハース米外交問題評議会(CFR)会長は、この路線は対イラン政策にもうまくフィットすると言う。イラクのスンニ派をもり立てる路線をとれば、イラクのスンニ派だけでなく、サウジアラビアやエジプトとの連帯を組むことができ、イラクで活動するイラン人やその傀儡勢力を締め出しやすい環境がつくれる。同氏は、ワシントンは、「イラクにおいて地域全体を視野に入れた戦略をとり始めている」とコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.org のコンサルティング・エディター)。
2007年10月号
首都カブールでは社会が崩壊しつつある。伝統的にカブールでは紛争の解決や交渉をめぐって部族が大きな役割を果たしてきたが、いまや犯罪が蔓延し、誘拐、銃撃戦、武装集団による窃盗、強盗が横行し、路上での暴力が日常化している。米中央情報局(CIA)でテロ対策を担当し、1998年から2004年までパキスタンで活動したジョン・キリアコウによれば、「タリバーンとアルカイダがアフガニスタン南部のヘルマンド州とカンダハル州で台頭しているだけでなく、カンダハル出身の東部のパシュトゥン人たちは政府を全く信頼しておらず、武器をとり、すでにタリバーンとして活動している。アフガニスタン内にタリバーンとアルカイダが聖域を確保し、米軍の戦力がイラクに奪われ、北大西洋条約機構(NATO)部隊が、再建活動にあたる国際機関や非政府組織(NGO)スタッフの安全確保だけで身動きができずにいることが、治安を乱し、タリバーンの台頭を招いていると指摘した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.org のコンサルティング・エディター)。