ボスニアの不安定化と欧州
―― 徘徊しだしたセルビアナショナリズム
2025年6月号
ボスニア・ヘルツェゴビナ(ボスニア)のスルプスカ共和国は、ボスニアからの分離・独立を画策している。共和国を率いる親ロシア派のセルビア人ナショナリスト、ミロラド・ドディックは、国と並立する政治構造を共和国内に組織し、民族間の緊張をあおり、ボスニアから分離・独立しなければならないと主張している。セルビア人の分離主義者たちは、ますます大胆になりつつあるし、彼らを支えるセルビア、ハンガリー、ロシアの指導者たちも同様だ。こうしてボスニアは、その短い歴史のなかでもっとも深刻な崩壊の危機に直面している。スターマー英首相、マクロン仏大統領、メルツ独首相など、「ワシントンが作り出した空白を埋める」と約束しているヨーロッパの指導者たちにとって、この問題にどう対応するかは、重要な試金石になるだろう。
