Vol.44 人工知能で社会と経済、そして国際秩序はどう変わるか

2018年8月発売

How AI Transforms Our Society, Economy, and International System?

掲載論文

人工知能(AI)は人間の生活を進化させ、利便性を大きく高める一方で、単純な作業を繰り返すような仕事だけでなく、高度な判断を必要とする雇用も人間から奪うようになるかもしれない。AIを所有するほんの一握りの人々が社会の富を排他的に独占し、かつてない格差が生まれるかもしれない。当然、社会も経済も、そして政治形態も変化していく。最高のAIを所有する国が世界でもっとも大きな力をもつようになり、地政学も変化する。権威主義国家がAIを用いて計画経済を洗練してゆけば、市場経済国家の経済は輝きを失い、民主主義がさらに力を失っていく恐れもある。下手をすると、「高度に社会的なロボット」に人間が操られるようになる危険もある。AIは人間の生活をバラ色に変えるのか、それとも、暗黒時代へと引きずり戻すのか。論争は続いている。

  • 第一章 人工知能と社会・経済問題
  •   ロボットが人の日常を変える―― パソコンからパーソナルロボットへ
  •   デジタル経済が経済・社会構造を変える―― オートメーション化が導くべき乗則の世界
  •   テクノロジー・ワールド―― 地政学革命としての人工知能
  •   知能ロボットと暗黒時代の到来―― 高度に社会的なロボットの脅威
  • 第二章 現在進行形の未来
  •   オートメーション時代の失業と社会保障
  •   ドライバーレスカーが経済と社会を変える―― ユートピアかディストピアか
  •   インターネットでデータ化される世界―― 「モバイルインターネット」と「モノのインターネット」の出会い
  • 第三章 ロボットが雇用を奪う?
  •   ロボットが雇用を揺るがす―― デジタル経済と新社会保障政策
  •   人工知能と「雇用なき経済」の時代―― 人間が働くことの価値を守るには
  •   精密農業と農家なき農業の時代―― テクノロジーが農業を根底から覆す
  • 第四章 人工知能と中国の未来
  •   人工知能とデジタル権威主義―― 民主主義は生き残れるか
  •   人工知能と中国の軍事パワー―― 戦場の「技術的特異点」とは

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