Denis Rozhnovsky / Shutterstock.com

米中とツキジデスの罠
―― 次なる文明の衝突を管理するには

グレアム・アリソン ハーバード大学教授(政治学)

China vs. America Managing the Next Clash of Civilizations

Graham Allisonハーバード大学政治学教授。このエッセーはDestined for War: Can America and China Escape Thucydides's Trap (Houghton Mifflin Harcourt, 2017)からの抜粋。日本では今秋ダイヤモンド社から『米中戦争の時 覇権国と新興国を衝突させる歴史の法則』(仮題 藤原朝子訳)として発行される。

2017年9月号掲載論文

台頭する国家は自国の権利を強く意識するようになり、より大きな影響力と敬意を求めるようになる。かたや、チャレンジャーに直面した既存の大国は状況を恐れ、守りを固める。この環境で、誤算のリスクが高まり、相手の心を読めなくなる。米中にはこの「ツキジデスの罠」が待ち受けている。それだけではない。米中間には相手国の理解を阻む文明的な障壁が存在する。政治や経済制度への考え方の違いだけではない。国内の政治制度を下敷きとする国際ビジョンも、物事をとらえる時間枠も違う。必要なのは、相手への理解を深めることだ。対中アプローチを立案しているトランプ政権の高官たちは、古代中国の軍事思想家、孫武の著作に目を通すべきだろう。「敵を知り己を知れば百戦危うからず。己を知るも、敵を知らなければ勝ち負けを繰り返し、敵も己も知らなければ、一度も勝てぬままに終わる」

  • 中華思想とアメリカの優位
  • 競合するナンバーワン意識
  • ミッショナリー国家
  • 時間をどうとらえるか
  • 国際秩序観
  • チェスの戦略と囲碁の哲学
  • 敵を知り己を知れば・・・

(C) Copyright 2017 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top