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ベン・ステイル、セバスチャン・マラビーが 分析する米金融市場混乱の余波

スピーカー ベン・ステイル ・・・ 米外交問題評議会・国際経済担当ディレクター
司会 セバスチャン・マラビー ・・・ 米外交問題評議会・地政経済学センター所長

The Financial Turmoil and its Consequence

Benn Steil 米外交問題評議会(CFR)の国際経済プログラム・ディレクター。『金融の政治的手腕』の共著者。 Sebastian Mallaby ワシントン・ポスト紙のコラムニスト。『世界の銀行家――失敗した国家、金融危機、国家の富と貧困の物語』の著者。米外交問題評議会(CFR)で経済地理学研究センターのディレクター、国際経済担当のシニア・フェローも務める。

2008年10月号掲載論文

 連邦準備制度理事会(FRB)が不良債権の多くを救済するようになり、FRBのバランスシートがさらに毀損されていけば、市場は警戒しだす。FRBが、金融機関、あるいは金融機関の資産の一部を、資金を投入して支えことで市場を安心させようと試みれば、大がかりなドル離れが起き、他の通貨建ての投資へと向かう可能性がある。例えば、ユーロ建ての資産や金への投資が進むだろう。(B・ステイル)

 人民元レートを低く抑えることで、輸出産業のブームを支えて、「雇用製造装置」を動かし、繁栄を持続することが、中国政府の正統性を支える最善の方法だと北京は考えてきた。だが一方で、人為的に人民元の価値を長期的に低くとどめれば、経常黒字は増え続け、さらに膨大な外貨準備を抱え、結果的に、資金をアメリカに注ぎ込むことになる。だが、これは中国にとっていいことだろうか。依然として貧しく、道路を建設し、インフラを整備する必要があるにもかかわらず、中国の多くの資金がアメリカのドル建て資産へと向かっている。……これまでのやり方に対する反対意見も出てきている。(S・マラビー)

  • ニューヨークはグローバル金融市場の中枢としての地位を失うのか
  • ドルとFRBの機能劣化の危険
  • 金融工学とレバレッジ
  • アメリカの金融混乱と途上国経済
  • ドル離れ?
  • 政府系住宅金融機関救済の真の目的
  • アメリカと中国のジレンマ

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