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欧州連合の未来
―― ヨーロッパの理念に何が起きたのか

アンドリュー・モラフチーク プリンストン大学教授(政治学・公共問題)

Ever-Further Union What Happened to the European Idea?

Andrew Moravcsik プリンストン大学教授(政治学)、同大学・欧州連合研究プログラム、ディレクター。フォーリン・アフェアーズでは「危機後のヨーロッパ―― 圏内経済不均衡の是正か、ユーロの消失か」(2012年6月号)、「ヨーロッパを待ち受ける忌まわしい未来―― もはや衰退は回避できない」(2016年12月号)を発表している。

2020年2月号掲載論文

欧州連合に対する批判は「ブリュッセルはもっと活動を縮小しろ、いや、もっと拡大しろ」という二つの批判に大別できる。ともに、EUは国民国家に取って代わろうとしているとみなし、前者はそれに反対し、後者はそれに賛成している。反対派には、イギリスのEU離脱(ブレグジット)派や右派ポピュリストを支える欧州懐疑派、そしてフランス、ハンガリー、イタリア、ポーランドのナショナリスト同盟などが含まれる。これら統合反対派は、われわれは「国民国家を守る」と主張する。「もっと拡大しろ」と考える左派は、右派ほど注目されていないが、ヨーロッパ全体、特にブリュッセルでは右派よりも多数派だ。問題は左派の立場があまりに理念的、夢想的でリアリズムに欠けることだ。・・・

  • EUの未来
  • より緊密な連合を
  • これまでの成果をどう評価する
  • ポスト国民国家のヨーロッパ?

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