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民主国家が開放性を維持すべき理由
―― シャープパワーとソフトパワーの間

ジョセフ・ナイ ハーバード大学教授

How Sharp Power Threatens Soft Power: The Right and Wrong Ways to Respond to Authoritarian Influence

Joseph Nye, Jr. ハーバード大学教授(政治学)。最近の著著にIs the American Century Over?がある。

2018年3月号掲載論文

中国とロシアは、権威主義国家の閉鎖性と民主国家の開放性という非対称性につけ込んで、「世界における自国のイメージを形作り、自国に対する民主国家の行動を枠にはめるための」キャンペーンに巨額の資金を注ぎ込み、その余波は世界に及んでいる。しかし、民主社会が権威主義国家のシャープパワーに対抗していく上で留意すべきことがある。それは、権威主義と同じやり方で相手のシャープパワーに対抗措置をとってはならないということだ。そのような過剰反応を示せば、自らのソフトパワーを傷つけることになる。アメリカ社会へのアクセスを閉ざしたり、その開放性を無くしたりすれば、ソフトパワーという大切な資産を損なうことになる。

  • 過剰反応を控えよ
  • ソフトパワーの耐久力
  • 民主国家のジレンマ

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