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欧州ポピュリストが演出する「文明の衝突」
―― 文明論を語り始めたポピュリストたち

ロジャーズ・ブルベーカー カリフォルニア大学ロサンゼルス校 社会学教授

The New Language of European Populism: Why "Civilization" Is Replacing the Nation

Roger Brubaker カリフォルニア大学ロサンゼルス校社会学教授。著書に「トランス――漂流するアイデンティティ時代におけるジェンダーと人種」などがある。

2018年2月号掲載論文

現在のヨーロッパのポピュリストを移民排斥論者、ナショナリスト、極右と言うこれまでの言葉で語るのは適切ではない。彼らはナショナリズムではなく、ヨーロッパを包み込む文明を「キリスト教」という言葉で表現し、それをイスラム文明と対比させている。彼らがキリスト教を引き合いに出すのは、(他者と区別するための文明的)帰属を示すためだ。そこでは、ユダヤ人もヨーロッパの一部を構成する仲間とみなされている。右派ポピュリストが女性の権利やゲイの権利を擁護しているのも、イスラム文明との違いを際立たせるためだ。こうしたヨーロッパの文明論的ポピュリズムが問題なのは、そもそもイスラム世界の一部に存在する過激な反西洋姿勢を、イスラム教徒にとってより信頼できる魅力的な思想にしてしまう恐れがあることだ。・・・

  • 文明的アイデンティティへ
  • キリスト教からキリスト教主義へ
  • イスラムとの対比
  • 文明の衝突?

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